2018年6月14日木曜日

印刷データ作成に伴う 「とりあえずこれだけは知っておきたい!」 印刷の基本知識 2 【CMYK編】


デザイン室 チーフデザイナー Tom



印刷業界にいれば当たり前のように使われる専門用語。
しかし、一般の人には何だか分からないネーミングの専門用語がたくさんあります。
そんな専門用語を分かりやすく解説します。

第2回は「CMYK」!

■「CMYK」とは


簡単にいうとインクで印刷する時や、
印刷データを作成する時に設定する色指定方式のこと。
?「それだけじゃわからない」という人もいるかと思うのでもう少し解説します。


「CMYK」は、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)
という「色の三原色(減法混色とも言う)」に、
キープレート(Key plate)を加えた4色の頭文字で、
この4色を混ぜて様々な色を表現する色指定方式です。

色を重ねるほど黒くなる特徴があり、
絵の具で色を作るのを想像するとわかりやすい気がします。

色は各色0%~100%まで指定することができ、
理論上では104,060,401色再現することができる…と言いたいところですが、
印刷機やインク、紙などいろいろな要因によりそこまでの再現性がないのが現状です。


と、説明を書きましたが、あれっ!イエロー以外聞いた事が無い!
しかも上のイメージの色が、小学生の時に習った「色の三原色」と色が違う気がする!
って思った人もいると思います。

そうなんです。
今はわかりませんが、私が小学生の時に習った「色の三原色」は
青、赤、黄色で下のイメージでした。








結構違いますよね。
よくわかりませんが、おそらく子供にわかりやすいように絵の具の基本色を使って教えようとしたのかと勝手に思ってます。


そして一番わからないのはキープレートでしょうか?
その昔、画像の輪郭などに使っていた印刷板のことで、
その印刷に黒のインクを使用していた事から
キープレート(Key plate)の頭文字の「K」で黒を表すようになったようです。

Blackの「K」や日本語の黒(Kuro)の頭文字の「K」という俗説がありますが、
どちらも誤りです。
ちなみに、印刷業界では黒のことを「スミ(墨)」と言ったりします。


という事で、簡単に「CMYK」の説明をしましたが、
対をなすもう一つの色指定方式も説明しなければなりません。
陰と陽、月と太陽のように「CMYK」には「RGB」があります。


■「RGB」とは









レッド(Red)、
グリーン(Green)、
ブルー(Blue)の頭文字で
「光の三原色(加法混色)」で
表現される色指定方式です。

以前は全部で256色しか表現できなかったが、
現在では各色ごとに256段階で16,777,216色表現でき、
色を重ねるほど白くなる特徴があります。

主に、テレビ・PCモニター・タブレット・スマホなどデジタルで
色を表現する時に使用されます。
そしてデジタル画像(写真)やOffice系データも「RGB」を使用しています。


■「CMYK」と「RGB」

「RGB」を印刷用データにする時「CMYK」に変換しなければなりません。
ここでPhotoshopのモード変換で単純に変えてしまうと、
下の画像のようにくすんだ色に変わってしまうことがあります。
特に「RGB」の蛍光色などの彩度の高い色はその傾向が強くなっているようです。




しかし我が弘文社では画像調整の達人S師匠が
「RGB」から「CMYK」への変換を違和感少なく自然な色に
(時には元の画像よりずっと綺麗に)調整してくれます。

まさに神業です。

そして、その後の印刷過程でも職人たちの手により色の調整をしていただき、
印刷物が刷り上がります。


■まとめ

・印刷物を作成する時は「CMYK」で指定してください。
・「CMYK(色の三原色+K)」は色を重ねると黒くなり。
   「RGB(光の三原色)」は色を重ねると白くなる。
・「RGB」は「CMYK」に変換すると色が変わる場合があるので注意!

次回は【スミ編】の予定です。