日々文字に接するDTPという仕事に邁進していますが、プライベートではそこそこ使用していても、仕事ではほとんどお目に掛からない文字、「顔文字・絵文字」について、今回は話をしようと思います。
どちらもインターネットやメールなど通信上で発達したもので、印字された媒体で目にすることは案外少ないのではないでしょうか。
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まず顔文字ですが、記号をパーツとして組み合わせて様々な感情を持つ顔として表現したものです。
文字だけでは伝えられなかった言葉のニュアンスを表すことができます。
「今どこにいますか (ꐦ`•ω•´)」と
「今どこにいますか (´•_•`; )」ではだいぶ違いますよね。
顔文字は海外でもメジャーな表現方法となっているようですが、日本発祥ということもあり、漫画的な記号など(例えば上記の「ꐦ:怒りのマーク」)を理解することが難しいようです。
海外で考案された顔文字は種類が少なく、90度時計回りに回転して見るもの(例 :D :( :P など)が多いのが特徴です。海外の顔文字は「口」の部分で、日本の顔文字は「目」の部分で主に感情を表していることが指摘されています。
また、2017年にCIAの機密情報がリークされた時に日本の顔文字を収集したものが含まれていたことが話題となりました。
暗号とでも誤認されたのかと思われましたが、その他にもネットミーム(ネット上で拡散される流行ネタ)なども収集していたようで、流行のリサーチの一環だったのでしょう。
(CIAは税金を使って一体何をしているんだと一部ネット上では呆れられていました…)
日本考案のものでも紛らわしいものがあり、例えば \(^o^)/ は見たままの「喜んでいる、または楽しい様子」ではなく、実は「お手上げの万歳」であり「オワタ:(人生などが)終わった」という悲観的かつ開き直り・投げやりな意味なので使用には注意が必要です。
顔文字は便利ではありますが、今現在の使用はカジュアルな場面にのみ許容されており、また誤解を招く可能性もあるので適切な使用を心掛けたいものです。
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絵文字につきましては、基本1文字で表現するこちらも日本発祥のマークです。
歴史はデジタル分野にしては古く、1981年に発売されたIBMの最初のパソコンに笑顔やハートなどの簡単なマークがすでに登録されていたそうです(もちろん白黒のドット表記)。
1999年にNTTドコモの携帯電話で絵文字のセットが利用可能になり、2010年に絵文字がemojiとしてユニコードに追加されたことで日本国外でも使用可能となります。その後スマートフォンに標準搭載されるに至り、絵文字は海外にも認識されていきます。日本語入力モードで海外でも使用可能で、初期には他の人と差をつける裏技として浸透していきました。
海外では絵文字(emoji)は字面が似ていることからemotion(感情)由来だと思われていることも多いそうで、英語ではemotion(感情)とicon(図像)を合わせた造語emoticon(意味は絵文字ではなく顔文字)という単語もあるのでややこしいようです。
他にも、私たち日本人からすると自然に理解できる絵柄でも、例えば
団子
や
天狗
のように日本文化に根ざしたものは他国からすると理解不能だったりします。疑問に思い調べることで、日本に興味を持つ一端となることもあるようです。思わぬ所で文化の宣伝になっているのが面白いですね。
しかし…
名札
をtofu on fire(燃える豆腐)と思っている方が一定数いることを知ったときは思わず笑ってしまいました。
この意味不明な絵文字についてはどうやら2014年頃からネット上で度々語られているということです。なんとか理解しようと「燃える豆腐」に当てはめたのだとは思いますが、これはさぞや難問だっただろうと理解できますね。
DTPデザイン課 私の母はなぜか白い?の絵文字を使う…