印刷業界にいれば当たり前のように使われる専門用語。
しかし、一般の人には何だか分からないネーミングの専門用語がたくさんあります。
そんな専門用語を分かりやすく解説します。
第3回は「スミ」!
■「スミ」とは
印刷では黒のことをスミと言います。
「何だ!黒は黒だろ!こんなの読むのは時間の無駄だ!!」と思っている方!
いやいや、印刷にとってスミ(黒)は前回のCMYKより重要になってきます。
大きく分けてスミ(黒)には3つあります。
1. スミベタ
2. 4色ベタ
3. リッチブラック です。
まずはスミベタから説明していきます。
■スミベタ
なので、スミベタには「K」以外の色は入っていません。
1色なので見当のズレに影響されないので、文字や細い罫線などに使われることが多い。
しかし、下に色がある場合オーバープリントされ、下の色が透けてしまうため注意が必要。
■4色ベタ
CMYKそれぞれ100%のかけあわせで作られる黒。一般の印刷では濃度が高すぎるため使用しない。
濃度が高いと乾きにくく、印刷時に重なった紙にインキが付いてしまう「裏移り」などの不具合の原因になる。
唯一使用するのは「トンボ」くらいだろうか。
■リッチブラック
CMYKそれぞれのかけあわせで作られる黒。「あれっ!上の「4色ベタ」と同じじゃないの?」
同じようにかけあわせで作られるのですが、濃度が違います。
推奨はC:50% M:50% Y:50% K:100%でスミベタより綺麗で締まった感じになり、しかも重なった色が透ける心配もほとんどありません。
他にC:40% M:40% Y:40% K:100%や、C:40% M:50% Y:60% K:100%など重なったり隣接している色により前後10%位濃度を変えたりもします。
しかし、4色のかけあわせなので小さな文字や細い罫線などは見当のズレに注意してください。
■まとめ
・「スミ」には3種類あり、それぞれに特徴があります。
・「スミベタ」は見当のズレを気にしないので文字や罫線などに、
「4色ベタ」は「トンボ」に、「リッチブラック」は色が重なり透けるのを防ぐためなど
・「スミ」の使い方一つで印刷の仕上がりに大きな違いが出るので注意しましょう。
次回は【画像解像度編】の予定です。